マニラのeそよ風

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第347号 2006/05/31 天地の元后聖母マリアの祝日

アヴェ・マリア!

 愛する兄弟姉妹の皆様、
 今日は元后天主の御母聖マリアの祝日、明日からは、私たちの主イエズス・キリストの聖心の聖月ですね。そこで、6月の霊的読書として、ガブリエル神父著『神との親しさ(7)キリスト・イエズス』を推薦します。特に、その25「まことの現存」から、39「聖体から三位一体へ」は、以前の編集では6月の分に割り当てられていました。

 実は私は中学生の頃、松田道雄著『恋愛なんてやめておけ』(当時はちくま書房出版でしたが、現在は、朝日文庫に収められています。)【 恋愛なんかやめておけ(朝日文庫 ) 松田道雄 /朝日新聞社 1996/01出版 217p 15cm ISBN:4022611308 】という本をとても興味深く読み、今でもそのことを覚えています。思春期を迎える学生諸君には、薦めたい本です。そこで、人生には男と女の恋愛なんかよりももっと美しいこと、大切なことがたくさんある、学生時代には、そのもっと大切なことを勉強し、恋愛ごっこに時間を無駄に使うべきではない、というメッセージを受け取りました。

 そうです。人生には天主の愛という私たちがどうしても発見しなければならない真理があります。ガブリエル神父の『キリスト・イエズス』の28「愛の奥義」では、天主が人間のためにしてくださったことはすべて愛の業であることを黙想します。つまり、天主が人間を天主の本性に与らせ、人間に天主の生命を交流して、天主にまで高めるようにしてくださった、無限の愛の奥義です。

 天主なる人間イエズス・キリストと一致することによって、人間は天主と結ばれ、されに御聖体において、私たちはイエズス・キリストと一体となり三位一体との一致に密接に与るのです。


 イエズス・キリストの聖心の第一晩課の讃歌にはこうあります。

En ut superba criminum
Et saeva nostrorum cohors
Cor sauciavit innocens
Merentis haud tale Dei!
見よ、私たちの罪の傲慢で
残酷な大群が、
そのようなことが全く値しない天主の
罪なき心をどれ程傷つけたかを!


 同じ祝日の朝課の讃歌にはこうあります。

Amor coegit te tuus
Mortale corpus sumere,
Ut, novus Adam, redderes
Quod vetus ille abstulerat.
古いアダムが奪ったものを
新しいアダムとして、戻すために、
死すべき肉体を取ることを
あなたの愛は、あなたに強制した。


 同じ祝日の讃課の讃歌にはこうあります。

Cor, arca legem contines
Non servitutis veteris,
Sed gratiae, sed veniae,
Sed et misericordiae.
掟を安置する契約の櫃、聖心よ
ただし、旧約の隷属の掟ではなく、
聖寵と赦しと
憐れみとの掟を。
Te vulneratum caritas
Ictu patenti voluit,
Amoris invisibilis
Ut veneremur vulnera.
愛徳は、明らかな一撃で
御身が傷つけられることを望んだ、
それは、私たちが
目に見えない愛のその傷を敬うために。
Quis non amantem redamet?

Quis non redemptus diligat,

Et corde in isto seligat
Aeterna tabernacula?
愛するお方を、いったい誰が愛し返さないだろうか?
贖われたものでいったい誰が、彼を愛さないだろうか?
そしていったい誰が、この聖心において
永遠の幕屋を選ばないだろうか?


私があなたを愛するのは遅かった。
おお、常に古く、常に新しい美よ!
あなたを愛するのは遅かった。
 あなたは私の内におられたのに、私は自分の外にいました。
そして、そこにあなたを探していました。  あなたの御眼には醜いものでありながら、
私はあなたの御手の美しい業である被造物に熱中していました。
 あなたは私と共におられたのに、私はあなたとともにいませんでした!
 私をあなたから遠く引き離していたものも、
あなたにおいてでなければ、存在しなかったでありましょうに!
 あなたは私の聞こえない耳を開くほど大きな叫びをあげ、私を呼んで下さいました。
 あなたはまた、稲妻のように光り輝き、私の盲目を治して下さいました。
 あなたはかぐわしい香りを立ち上らせ、
私はそれを呼吸して、あなたを恋い慕っております。  あなたを味わった今、あなたに餓え渇いています。
 あなたがお触れになったので、
私は今、あなたの平和への望みで、燃え尽きるようです。
(聖アウグスティヌス)


 天主様の祝福が豊かにありますように!
 聖母の汚れ無き御心よ、我らのために祈り給え!
 聖ヨゼフ、我らのために祈り給え!

 トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)


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 以前 日本語サイト リンクマニラの eそよ風」73号(2003/01/09) でご紹介した、マキシミリアノ・コルベ神父様の祈りのラテン語を知りたいという方がいらっしゃいましたので、元后天主の御母聖マリアの祝日にちなんでご紹介します。


Actus Consecrationis Beatae Mariae Virginis Immaculatae

O Immaculata, coeli et terrae Regina, refugium peccatorum, et Mater nostra amorosissima, tu, cui Deus totum ordinem misericoriae committere voluit, ego N.N., indignus peccator, ad pedes tuos me provolvo suppliciter petens, ut me totum et totaliter tanquam rem et proprietatem tuam assumere et de me, de omnibus potentiis animae et corporis, de tota vita, morte et aeternitate mea, quidquid tibi magis placet facere digneris.

Utaris etiam, si hoc tibi placet, me toto et totaliter ad hoc, quod de te ditum est : "Ipsa contere caput tuum" et "Cunctas haereses sola interemisti in universo mundo", exequendum, ut in tua immaculata et misericordissima manu aptum sim instrumentum ad cognitionem tui in tot deviatis ac tepidis animis excitandam et gloriam tuam quam maxime augendam et ita dulcissimum Regnum Sanctissimi Cordis Iesu, quam maxime extendendum, ubi enim tu intras ibi et gratiam conversionis et sanctificationis impetras, per tuas enim manus omnes ad nos gratiae ex Corde Sacratissimo perveniunt.

R. Dignare me laudare te, Virgo sacrata.
V. Da mihi virtutem contra hostes tuos.

(1917年10月16日、ローマにてマクシミリアノ・コルベ神父様がした天主の御母汚れなき聖マリアへの奉献)