マニラのeそよ風

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第289号 2005/08/04 証聖者聖ドミニコの祝日

Madonna Enthroned with the Child, St Francis St. Domenico and two Angels / Galleria degli Uffizi, Florence

アヴェ・マリア!

 兄弟姉妹の皆様、お元気ですか。ご無沙汰しております。

 7月は天主の御恵みにより、私はアメリカに行かなければなりませんでした。クチュール神父様の要請により、オレゴン州スポケーンにある聖伝のカルメル会女子修道会で、シスターたちに特に日本での聖ピオ十世会の活動についてお話をしてきました。今、聖伝のカルメル会のシスターたちは、特に私たちの愛する祖国のためにとりわけお祈りを捧げて下さっているはずです。また、天主の御恵みにより、その近くポストフォールズにある聖ピオ十世会の修道院と教会と学校を訪問しました。そこの修道院長であるエミリー神父様とお会いしました。またフランスに任命されているアメリカ人司祭のケニー神父様も、ポストフォールズのご自宅に帰られており、ケニー神父様の家に聖ピオ十世会の司祭らが6名集って有意義な時を恵まれました。天主に感謝!

 クチュール神父様のご厚意で、アラスカの大自然を直に見ることが出来ました。天主の創造の神秘と素晴らしさ! 智恵深く創られた大自然! クジラとシャケ、ラッコとカモメ、海を泳ぐ鹿、熊、ワシ、その他無数の魚の群れと動植物! 

 また、7月に来日して下さったベッヒャー神父様に感謝します。全ての御恵みを天主に感謝!

 更に先日は、私たちのヨゼフ・マリア夫妻に、長男が無事に誕生しました。母子とも健康で、天主に感謝!兄弟姉妹の皆様のお祈りを感謝します。


 さて私たちの聖伝のミサに集う人々は、特に東京では、圧倒的に若い人々が多いのですが、今回から「マニラの eそよ風」では「カトリック家族」について考察を深めていきたいと思っています。そこで「カトリック家族とその敵について」と題して、兄弟姉妹の皆様に黙想を提案していきたいと思っています。

 では天主様の祝福が兄弟姉妹の皆様に豊かにありますように!


 トマス小野田神父(聖ピオ十世会司祭)


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カトリック家族とその敵について

----- これから婚姻の秘蹟によって
結ばれようとする兄弟姉妹に -----

(1)家族とは

 家族とは天主が定めた社会である。婚姻は解消することの出来ない契約であり、洗礼を受けた者が婚姻で結ばれることは、カトリック教会の7つの秘蹟の一つである。

 21世紀初頭において、私たちは更に正確に言う必要がある。家族とは、天主の定めによって、一人の男(夫)と、一人の女(妻)と彼らの子供達から成立するものである。現在、天主の定めた家族に反対して、攻撃がかけられている。家族に関する無数の定義が差し出され、現代人は家族とは自分勝手に決めることの出来る曖昧で漠然としたものであるかのように思わせている。

 創造の第六日目に、一人の男と一人の女が天主によって直接創造された。男性の体は既に存在していた「土」から作られ、女性の体は最初の男性の体から形成された。そして霊魂は無から天主によって創造され、体を形作るものとして体と結合した。天主は、最初の一人の男と女のみを奇跡的なやり方で創造した。その他の人類は、この最初の男女をその起源とする。

 原初に一人の男と一人の女を創造することによって、天主はその御旨を示された。婚姻は一人の男と一人の女のみで成立することである、という御旨である。天主はこの御旨を人間には説明のつかない素晴らしい事実で示し続けておられる。それは男女の比率が常にほぼ等しいと言うことである。毎年生まれてくる男の子と女の子の数はほぼ同数であるという事実である。人間によって影響されないこの自然の特質は、やはり一人の男に対して、一人の女のみを婚姻の相手として与えようという自然の創造主の意志を明らかにしている。

 イエズス・キリストは、特別で変わることのない(「進化」しない)婚姻の本性の基礎として男と女の特別な起源について言及した(マテオ19:4)。天主の婚姻に関する規定は、一目瞭然でありこれ以上明らかになりえない。従って、家族は、一人の男と一人の女と彼らの子供から構成されるものとして変わり得ないし、再定義も出来ない。

(続く)