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第156号 2003/06/21 ゴンザガの聖アロイジオの祝日


ゴンザガの聖アロイジオ


イエズスが言われたのは、ご自分の体の神殿についてであった。
(ヨハネ2:21)
Cor Iesu, templum Dei sanctum, miserere nobis !
天主の聖堂なるイエズスの聖心、我らを憐れみ給え。

アヴェ・マリア!

 兄弟の皆様、今回は、「第2バチカン公会議後の教会」――アメリカの統計――をお送りします。

 ケン・ジョウンズ(Ken Jones)は、Index of Leading Catholic Indicators という本を書き、この本についてのインタビューに答えています。

 第2バチカン公会議について、さまざまな人がさまざまな自分の思いを語っています。ある人は、偉大なる刷新であったといい、ある人はかつて見たことのない崩壊の時代だと言います。ジョウンズ氏は、主観的な思い込みではなく、客観的な事実を求めました。

 例えば、現在アメリカでは、80才から84才の司祭は、30才から34才までの司祭よりも数が多くいます。全く世俗的な観点からだけ話したとすると、このような組織には未来がありません。2020年には、70歳以下の司祭は、15,000名しかいなくなります。

 第2バチカン公会議の開催時には、全米の小教区の内、3%、つまり549小教区には司祭が不在でした。
 2002年には、2928の小教区には主任司祭がいません。これは全小教区の15%です。
 2020年には、4656の小教区には司祭がいなくなります。これは、25%です。

 1965年には、アメリカに49,000名の神学生がいました。
 2002年には、4,700名しかいなくなりました。これは90%の失墜です。

 1965年には、全米に596の神学校が存在していました。
 2002年には、200校しかありません。

 1965年には、180,000名の修道女たちが全米に存在していました。
 今では、75,000名の修道女がおり、その平均年齢は、69才です。
 2020年には、おそらく、70歳以下の修道女は、21,000名を数えるのみでしょう。
 これは、どのような平凡な人であっても、1965年を境に、アメリカの修道女たちの生命力は突然途絶えた、ということを意味していることが分かります。

 1965年には、130万名の幼児洗礼がありました。(全米のカトリック人口は450万でした。)
 2002年には、100万名の幼児洗礼でした。(全米のカトリック人口は640万です。)

 1965年には、126,000名の成人洗礼がありました。
 2002年には、80,000名です。

 1965年には、352,000のカトリック婚姻がありました。
 2002年には、256,000に減っています。

 1968年には、338の婚姻が無効であったと判決されました。
 2002年には、それが50,000に急増しています。

 1958年には、74%のカトリック信者が主日のミサに与っていました。(Gallup poll report)
 1994年 University of Notre Dame study によると、26.6%のカトリック信者しか主日のミサに与っていません。

 Fordham University の教授 James Lothian の最近の研究によると、
 1965年には、65%のカトリック信者主日のミサにあずかり、
 2000年には、25%のカトリック信者が主日の義務を果たしただけです。

 1965年から2002年までの間、教区立の高等学校の数は、1566から786校に減少しています。
 生徒の数も、700,000から386,000まで減りました。
 小学校も、1965年には、小教区立小学校が10,503校(生徒数450万)あったのに比べ、 2002年には、6,623校(生徒数190万)になりました。

 この本は、1920年代や1930年代から統計を調べてありますから、第2バチカン公会議前後の比較が出来るようになっています。

 1920年には9,000名の神学生がいました。
 1940年には17,000名、
 1950年には25,000名
 1960年には40,000名
 1965年には49,000名です。
 1965年に至るまで、神学生の数は継続的に恒常的に伸び続けました。しかし、
 1970年には28,000名(5年で41%の減少)
 2002年には、4,700名です。

 統計のどの分野でも、このことが確認されます。つまり、第2バチカン公会議までは継続的な増加、第2バチカン公会議以後の激減です。

 教会を刷新させるために開かれた第2バチカン公会議は、カトリック教会の生命力を奪ってしまった、これは、誰にも否定できない事実ではないでしょうか。

 参考資料 URL: 外国語サイト リンク http://www.unavoce.org/articles/2003/interview_with_ken_jones.htm


■ 2002年度「教会現勢」、成人洗礼は56年ぶりに4000人台割る

 カトリック中央協議会司教協議会秘書室広報(担当部長・平林冬樹=イエズス会)は、6月付で2002年度の「カトリック教会現勢」を発表しました。今回の「現勢」では、老人福祉など、社会の必要にこたえた活動が引き続き伸びていることが分かる反面、成人洗礼の数は56年ぶりに4000人台を割り込んだことを示しています。

 信徒数は昨年より2107人増加して、44万997人となりました。信徒数に聖職者、修道者、神学生の数を合わせた「信者数」は44万9927人。成人洗礼の数は3889人で、昨年より236人減少しています。1992年をピークに減少傾向にありましたが、4000人を割ったのは56年ぶりです。

 外国籍信徒の数については、教区ごとに統計上の扱いが異なるそうです。司教協議会秘書室広報の平林神父様は、「『現勢』の作成に当たっては各教区から届けられた数字をまとめており、その中に外国籍信徒がどの程度含まれているか、こちらでは把握することができない」と話しているそうです。

 司祭数は全体で24人増加しています。修道女の数は前年に比べて121人減少しています。「概説」によれば、増加した司祭数の内訳を見ると、高松教区の外国籍司祭が前回より16人、名古屋で修道会、宣教会司祭が17人と大きく増えているとのことです。

 信者の死亡数は、昨年より約5%の増加。一方、約10年前から減少が続いている幼児洗礼は前年度より6・7%減って、4240人となっています。

 教会学校では、幼児・小学生が7・3%、中学生が3・6%減少。高校生のみ増加しているが、これは福岡教区で信者でない女子の登録が増加したためで、全国的傾向ではありません。

 老人ホームと老人福祉事業は10カ所増加し、その他の社会福祉事業は12カ所増えました。この傾向について「概説」は「信者、司祭、修道者数が横ばい、または微減を続ける中で、健闘している」と述べています。
参考資料 日本語サイト リンク http://www.cwjpn.com/kiji/3719/1p-kyousei2002.htm


■ 東京カトリック神学院の「刷新」―司祭像の模索続く

 東京カトリック神学院が独自の養成課程を開始してから14年たち、具体的な見直しの時期を迎えているそうです。

 東京カトリック神学院とは、「カトリックの大神学校」で、1871(明治4)年、故プチジャン司教が東京・千代田区番町に「公教大神学校」として設立したのが最初で、パリ外国宣教会の宣教師がこの教授として任命されました。文京区関口への移転を経て現在の場所練馬区関町に移築されたのは1929(昭和4)年のことです。45(昭和20)年、大神学校を東京と福岡に設け、東京はイエズス会、福岡は聖スルピス会に経営が委託されました。70(昭和45)年、東京カトリック神学院の運営はイエズス会から日本司教団の責任の下に置かれました。
 2000年12月、建物の老朽化と学生の減少を理由に、2階建ての新しい神学院が竣工されています。

 東京カトリック神学院は、長崎教会管区以外の11教区の司祭を養成しています。現在同神学院には哲学科2年以上の27人が在籍しています。
 参考資料 日本語サイト リンク http://www.cwjpn.com/kiji/3718/1p-shingakuin_sasshin.htm


■ なぞなぞ

 日本語サイト リンク 前号の答えは:「正義の徳」でした。

 私は、こんな諺を人々に聞かせる。「受けた善は石に刻み、受けた侮辱は砂に書け」、「与える時には口を閉じ、受ける時には口を開け」。私は自分の欠点を謝らないが、謝るかのような名前が付いている。私は誰?

 この答えは、日本語サイト リンク 次号に掲載します。お楽しみに!

トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)