マニラのeそよ風

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第136号 2003/05/05 教皇、証聖者、聖ピオ5世の祝日

聖ピオ五世
聖ピオ五世

実に惜しんで蒔く者は少なく刈り取り、
豊かに蒔く者は豊かに刈り取るであろう。
おのおの惜しまず、強いられず、心で定めたように与えよ。
(2コリント9:6-7)

アヴェ・マリア!

兄弟の皆様、
 女性のための黙想会の指導のために、イロイロからマニラにサー神父様が来られました。サー神父様にブラザー・ヒヤシントの話を伺ってみました。

 聖ベルナルド修練院には、以前2つのディーゼル・エンジンがありましたが、そのうちの一つは盗まれてしまったばかりでした。その後、残る一つのエンジンを守るために、武装した警備員を雇い、またブラザーも見張りをすることとなっていたようです。エンジンが無いと、修練院には水が無くなってしまうからです。

 修練院の建物から少し離れたところに、「ルルドの聖母」があり、その近くにエンジンがあるようです。そしてそのすぐ側に、離れの小屋があり、ブラザー・ヒヤシントはそこで休んでいました。

 4月23日、水曜日は、雨が降り、みな疲れていました。サー神父様だけは、マニラでの黙想会の指導の準備のために、夜も勉強していました。

 ブラザーが、安らかに離れの小屋で寝ていると、3人組の男がやって来て、ブラザーを起こしました。そして散弾銃を突きつけて、今からポンプを持っていく、と告げたそうです。ブラザーは何もすることが出来ません。彼らはエンジンを盗もうと活動をはじめました。

 しかし、ポンプの近くでフラッシュライトがちらついているので、不審に思った警備員は、警告のために一度発砲したそうです。すると、強盗たちは、驚いてブラザーをめがけて発砲しました! ブラザーは、右手で自分の身を防ごうとし、ロザリオを握りつつ腕を大きく振り上げたそうです。ブラザーは腕と胸に弾を受けました。

 警備員は、今度は強盗の方に向けて発砲しましたが、彼らはその間に逃げました。
 ブラザーは、警備員に自分がここにいるから発砲するなと言って、雨が降る中を自分で修練院に戻りましたが、入り口にたどり着くや気を失ってしまいました。

 サー神父様は、発砲という異常事態のために、一体何が起こっているのか確かめており、ブラザーにすぐに終油の秘跡を授けました。

 警察に電話をすると、30-40分ほどでやって来て、ブラザーは直ぐに市内の病院に運ばれ、翌日手術を受けました。12ほどの弾が腕から、2つが胸から出て来たそうです。
 幸いなことに弾は肺にまで貫通していませんでした。もし肺にまで入っていたら、命はなかったそうです。

 サー神父様が、翌日現場に行っていると、ブラザーの持っていたロザリオが見つかりました。ロザリオは壊れていましたが、その玉は全て見つかりました。よく見ると、ブラザーがロザリオにつけていた不思議のメダイには弾が貫通していました。もしも、このメダイが身代わりになって弾を受けていなかったら・・・おそらくブラザーの命はなかったことでしょう。サー神父様はブラザーの命を救ったこのロザリオを聖母の「聖遺物」として、保管してあるそうです。

 ブラザーは、今のところ順調に回復しているそうです。兄弟の皆様のお祈りに心から感謝します。フィリピンにいるブラザーや司祭のために、続けてお祈りをお願い申し上げます。

 今日からマニラでは女性のための黙想会が始まります。25名ほど参加者があるそうです。この黙想会の成功のためにもお祈りをお願い致します。

ニュー・マニラ(フィリピン)にて

トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)