マニラのeそよ風

 トップ  >  「マニラのeそよ風」一覧

第106号 2003/04/01

最後の晩餐


アヴェ・マリア!

兄弟の皆様、
 今回はラテン語を少しも勉強したことがない!と言う人のために、104号へのヒントを申し上げます。ちょっと頭をひねって、ラテン語で言ってみて下さい。

 私たちが使っている教科書は、Orberg と言う教授が書いた LINGVA LATINA PER SE ILLVSTRATA です。詳しくは、外国語サイト リンク http://users.cybercity.dk/~bbe6711/ をご覧下さい。

 104号では特に、動詞estについての質問をしました。Est は、日本語では「ある」という意味で、英語の is に当たります。主語が複数になると、sunt となります。これはちょうど英語で it is の主語 it が複数になると、they are と変わるようなものです。

 発音は、アルファベットをほとんどそのままローマ字読みして下されが結構です。ここではおそらく聖アウグスチヌスの時代からそうなっていたと思われている教会式のラテン語発音をしています。また私たちは Vivarium Novum というイタリアの古典学で有名な学園の学頭ルイジ・ミラリア氏の教育方法に従っているからです。詳しくは次のホームページをどうぞご覧下さい。外国語サイト リンク http://www.vivariumnovum.it/Latino.htm

 しかし、私たちは、発音と言うことに気をとられないでラテン語をまず話す!と言うことに注意を向けましょう。

 ローマはイタリアにあります、のローマは Roma、イタリアは Italia です。(Itariaではありません! 日本語にはl【エル】の音がないので注意なさって下さい。)

 「イタリアに」と言うのは、in Italia といいます。主語に立つ「イタリアは」という Italia の最後の a は短い【ア】、in の後に来る「イタリアに」の in Italia の Italiaの最後の a は、長く【アー】と発音する a です。この発音の区別を付けるために長い【アー】の場合には a の上に「ー」という横棒を付けることも出来ますが、このメールではそのように表示出来ないので、そのまま a と書きます。詳しくは、ラテン語の教科書 LINGVA LATINA PER SE ILLVSTRATA をご覧下さい。

 「イタリアとギリシア(グレチア)はヨーロッパ(エウローパ)にあります」のギリシアは、Graecia といいます。【グレチア】と発音して下さい。Ae は、【エ】と発音します。ヨーロッパは、Europa で、【エウローパ】と発音して下さい。

 単語を結ぶ「と」とか「及び」という言葉は、et と言います。英語の and と言う言葉の省略記号に&がありますよね。この&は、じつは筆記体でetを書くうちにこうなってしまったものです。

 ここでは、主語が「イタリアとギリシア」の二つで複数ですから、「あります」という動詞も est から sunt になることに注意して下さい。

 「エジプトはヨーロッパにありません」の「エジプト」は Aegyptus で、【エジプトゥス】と発音して下さい。私たちは y は、そのまま【イ】と発音しましょう。

 否定するときには、non を付けます。「あります」が est なら、「ありません」は non est です。

 「ブリタニア(ブリタンニア)もヨーロッパにあります」の「ブリタニア」は、Britannia で、【ブリタンニア】と読んでください。

 「なんとかも」の「も」は、quoque 【クォクエ】と言います。【クォークエ】ではなく、短く【クォクエ】と言ってください。長い【クォークエ】には別の意味があるからです。

 「フランス(ガリア)は、ヨーロッパにありますか?」の「フランス」は、Galliaで、【ガリア】と発音して下さい。Garia ではなく、Gallia です。【ガッリア】と聞こえるかも知れません。

 質問をするときの「か?」は、-neという接尾語を文の最初の単語の後に付けます。

「ありますか?」は、est と ne とがくっついて Estne ? となります。

 「どこに?」と場所を聞くときには、Ubi ?と尋ねます。

 川の名前の「ナイル」は Nilus で【ニールス】と発音して下さい。「ライン」は Rhenusで【レーヌス】と発音して下さい。「川」は、単数形で fluvius です。複数形では fluvii となります!

 「大きな」という形容詞は magnus で【マニュス】と読んでください。Gn はニャ、ニィ、ニュ、ニェ、ニョの発音をして下さい。「大きな川」は、fluvius magnus です。

 河川名の「ダニューブ」は Danuvius で【ダーヌヴィウス】と読みます。

 島の名前の「シチリア」は Sicilia です。Ciを【チ】と読んでください。「島」は insulaです。「大きな」は、magnus なのですが、「島」という単語に係り、これが女性名詞なので、magna と変わります!

 「スパルタ」は Sparta です。「町」は oppidum 【オッピドゥム】といいます。

 形容詞の「ギリシアの」とか「ギリシア的な」とか「ギリシア風の」というのは、graecus です。ところで、oppidum は中性名詞なので、graecus が graecum と変わります!

 「アラビア」は、Arabiaです。

 「多くの」とか「多い」という形容詞は、multi といいます。ちょうどマルチメディアとかの「マルチ」ですが、【ムルティ】と読みます。

 中性名詞の oppidum 【オッピドゥム】は、複数形になると oppida 【オッピダ】となります。「多くの町々」となると、multi は oppida にあわせて multa と変わりつつ multa oppida となります。

 「クレタは町なのですか?」と「クレタは町ですか?」の違いを見てください。「クレタは町なのですか?」は、「本当にそうなのですか?」という意味が含まれており、「いや、違う」答えを想定して質問をしています。それに引き替え「クレタは町ですか?」は、ただ単純に尋ねており、どのような返事も予想されていません。

 ラテン語では、「いや、違う」答えを想定して質問をするときには、Num? と言う言葉を付けます。

 島の名前の「クレタ」は、Cretaです。

 厳しい軍隊的な教育で有名なギリシアの有名な町「スパルタ」は、Sparta です。

 「何?」と尋ねるときは、Quid? 【クィッド】と言います。


 では、104号の答えを申し上げます。

ローマはイタリアにあります。
Roma in Italia est. (C1, v1)

イタリアとギリシア(グレチア)はヨーロッパ(エウローパ)にあります。
Italia et Graecia in Europa sunt. (C1, v2)

エジプトはヨーロッパにありません。
Aegyptus in Europa non est. (C1, v5)

ブリタニア(ブリタンニア)もヨーロッパにあります。
Britannia quoque in Europa est. (C1, v9)

フランス(ガリア)は、ヨーロッパにありますか?
Estne Gallia in Europa ? (C1, v11)

ローマはどこにありますか?
Ubi est Roma ? (C1, v12)

ナイル(ニールス)とライン(レーヌス)は川です。
Nilus et Rhenus fluvii sunt. (C1, v19)

ナイルは大きな川です。
Nilus fluvius magnus est. (C1, v22)

ダニューブ(ダーヌヴィウス)も大きな川です。
Danuvius quoque fluvius magnus est. (C1, v25)

シチリアは大きな島です。
Sicilia insula magna est. (C1, v28)

スパルタはギリシアの町です。
Sparta est oppidum Graecum. (C1, 38)

アラビアには多くの川と多くの町がありますか?
Suntne multi fluvii et multa oppida in Arabia ? (C1, v46)

クレタは町なのですか?
Num Creta oppidum est? (C1, v49)

スパルタとは何ですか?
Quid est Sparta? (C1, v51)


どうでしたか?

天主様の祝福が豊かにありますように!

トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)